ずずぶろぐ

ていねいでない暮らし

【本】『家事か地獄か』(2023年)読んでみた

こんにちは、ずず(zuzu)です。

図書館に予約した本が手元にやってきました。

稲垣えみ子さんの新刊『家事か地獄か』です。

稲垣さんの著書と出会ったのは『魂の退社』(2016年)です。

長年勤めた一流企業を早期退社するに至った経緯が、ものすごい迫力で語られていて、あたかも芥川賞エッセイ(?)を読んだかのようでした。

(そのあと、自分にも同じようなことが起こるとは夢にも思いませんでしたが…)

ところが、次作の『寂しい生活』(2017年)はあまりに極端過ぎて共感できず、以降、新刊をゆるっと追っかけています。

 

さて、『家事か地獄か』

そこそこ稲垣さんを追いかけている身としては、江戸時代の長屋暮らしを理想として、質素で近所付き合いを大切にした生活をされていることは知っていたので、目新しい情報は特になかったものの、興味深く一気に読み終えました。

人間は生きている限り家事からは逃れられない。

家事を誰かにしてもらうのではなく、最低限の身の回りのことは自分でやろう。

年をとって家事が大変になったら、ダウンサイジングすればいい。

食事の基本は"メシ・汁・漬物"で、納豆でも添えればごちそう、美味しいものが食べたければ外食で。

家事をラクにするには、とにかくモノを減らすこと。

ざっとこんな感じでした。

 

'痩せ我慢'という言葉が一番しっくりくるのかな。

多くの人は(私も含めて)、"ひとり暮らしだからできること。家族がいたらそうはいかない"とツッコミたくなると思います。

そこは稲垣さんも認めています。

ですが、稲垣さんは超節電とかミニマリズムを読者に押し付けるわけではなく、"こんな(一風変わった)ライフスタイルもあるよ"って紹介しているだけなんですね。

だから、次はどこへ行くのか興味津々で、新刊を楽しみにしているのです。

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稲垣さんとは同世代です。

お母様が認知症を患い他界されているそうですが、多趣味で社交的だったお父様はご健在のよう。

生死は別として、両親の様子が我が家とソックリでした。

お母様が認知症になってしまったのは、複雑な操作が必要な家電や、携帯電話などの出現が多少関係しているかもしれないと言及していました。

テクノロジーを断固無視して、できることだけして生きていったほうが、ストレスは少ないはず。

私は、たとえ時代遅れでも、若者文化に擦り寄ることはしたくないと常々思っております。

またね。