こんにちは、ずず(zuzu)です。
今日も映画『エルヴィスとニクソン』について語らせてください(笑)
ロサンゼルスから商用機で無事ワシントンD.C.に到着したエルヴィスとジェリー・シリングは、ワシントン・ホテルの部屋で、グレイスランドからニクソン大統領への手土産を持参したソニー・ウェストと合流します。
ソニーが到着したときエルヴィスは仮眠中で、ジェリーとソニーは再会を喜び合い、近況報告をしますが、ソニーの不用意な言葉がジェリーの古傷にふれてしまいました。
映画ではそのつらい出来事が、ジェリーがエルヴィスから独立するきっかけとなったようです。
実際はどうだったのかも知りたいので、ずっと先になってしまいそうですが、ジェリーの自伝も読んでみたいです。
寝ているエルヴィスをソニーに頼み、ジュリーは交際中の女性に電話をかけます。
電話を切ってエルヴィスの様子を見に行くと、寝ているはずのエルヴィスが消えていました。
ソニーはソファーでうたた寝してしまい、その少しの間にエルヴィスはいなくなっていたのです。
「怒るなよ」
と返しますが、このへんのふたりの演技が助さん格さんさながら、絶妙です。
しかし、ソニーも悪いが、黙って出かけるエルヴィスはもっと悪い。
ジェリーが自動車電話に連絡すると、エルヴィスは運転手と一緒に外出していました。
お腹が空いたエルヴィスがやって来たのは、黒人が集うドーナツ店でした。
エルヴィスはひとりで入店しますが、'ルシール'が一緒だと宣言せざるを得ないほど、白人が利用するには場違いな店でした。
たとえエルヴィスであっても、おちおちドーナツを食べていられない店が存在することが、このシーンでわかります。
ともかく、ハリウッドで仕事中のジェリーを無理やり旅のお供にしておきながら、書き置きもせず、勝手に単独行動するエルヴィスは本当に身勝手です。
察するに、エルヴィスはホワイトハウスへの旅は、本当はひとりでやり遂げたかったのでしょう。
ちょっとおもしろいのは、エルヴィスは人目につかないようホテルの裏口から出入りします。
その途中にホテルの従業員用の休憩所があり、そこの自販機でM&M'Sを買って、その場でワイルドに口に入れました。
ホワイトハウスでは、ドワイト・チェイピン大統領補佐官との事前打ち合わせで、ソニーは、
「(エルヴィスのための)スナックもいいものに」
と要求しますが、エルヴィスは別室で同時に行われた、バド・クロー内務担当官との打ち合わせの中で、
「M&M'Sは好物だ」
と言っているのです(笑)
M&M'Sといい、ドーナツといい、”エルヴィスはやはり甘党だった”というエピソードですが、私はタバコ吸ってたほうが太らなかったかも…などと、しょーもないことを考えたりしました。
このあと、ニクソンとの面談が始まりますが、エルヴィスはリサ・マリーとプリシラの写真をニクソンに見せた後、続けてメンフィスマフィアの集合写真を見せます。
「マスコミからメンフィスマフィアなどと呼ばれるが、そんなんじゃない。記者たちが広めたウワサです」
とエルヴィスが言うとニクソンは同意し、自分の経験を踏まえ、
「金を握らされば人は何でも話す。平気で他人の名声を汚すんだ」
と言いました。
このとき、ジェリーとソニーは大統領執務室の外で待機していましたが、これはのちに暴露本を出版するソニーに向けた皮肉です。
でも、お金だけではなかったような気がするんです。
それが知りたくて今『Elvis What Happened?』を読んでいます。
この映画が封切られて1年後に、ソニーは78年の生涯の幕を閉じました。
高齢だったので、この映画を鑑賞したかどうかはわかりませんが、”とりあえずイケメンだったし、まいっか”と思ってくれていたらいいのですが。
映画では他にもソニーの失言がありましたので、次回以降書きたいと思います。
またね。