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映画『エルヴィスとニクソン 〜写真に隠された真実〜』(2016年)<その5>ちょいワルソニー

こんにちは、ずず(zuzu)です。

今日も映画『エルヴィスとニクソン』について語らせてください(笑)


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ロサンゼルスから商用機で無事ワシントンD.C.に到着したエルヴィスとジェリー・シリングは、ワシントン・ホテルの部屋で、グレイスランドからニクソン大統領への手土産を持参したソニー・ウェストと合流します。

ソニーが到着したときエルヴィスは仮眠中で、ジェリーとソニーは再会を喜び合い、近況報告をしますが、ソニーの不用意な言葉がジェリーの古傷にふれてしまいました。

映画ではそのつらい出来事が、ジェリーがエルヴィスから独立するきっかけとなったようです。

実際はどうだったのかも知りたいので、ずっと先になってしまいそうですが、ジェリーの自伝も読んでみたいです。

 

寝ているエルヴィスをソニーに頼み、ジュリーは交際中の女性に電話をかけます。

電話を切ってエルヴィスの様子を見に行くと、寝ているはずのエルヴィスが消えていました。

ソニーはソファーでうたた寝してしまい、その少しの間にエルヴィスはいなくなっていたのです。

ここでジェリーはソニーに文句を言い、バツの悪いソニーは、

「怒るなよ」

と返しますが、このへんのふたりの演技が助さん格さんさながら、絶妙です。

しかし、ソニーも悪いが、黙って出かけるエルヴィスはもっと悪い。

ジェリーが自動車電話に連絡すると、エルヴィスは運転手と一緒に外出していました。

お腹が空いたエルヴィスがやって来たのは、黒人が集うドーナツ店でした。

エルヴィスはひとりで入店しますが、'ルシール'が一緒だと宣言せざるを得ないほど、白人が利用するには場違いな店でした。

たとえエルヴィスであっても、おちおちドーナツを食べていられない店が存在することが、このシーンでわかります。

ともかく、ハリウッドで仕事中のジェリーを無理やり旅のお供にしておきながら、書き置きもせず、勝手に単独行動するエルヴィスは本当に身勝手です。

察するに、エルヴィスはホワイトハウスへの旅は、本当はひとりでやり遂げたかったのでしょう。

 

ちょっとおもしろいのは、エルヴィスは人目につかないようホテルの裏口から出入りします。

その途中にホテルの従業員用の休憩所があり、そこの自販機でM&M'Sを買って、その場でワイルドに口に入れました。

 

ホワイトハウスでは、ドワイト・チェイピン大統領補佐官との事前打ち合わせで、ソニーは、

「(エルヴィスのための)スナックもいいものに」

と要求しますが、エルヴィスは別室で同時に行われた、バド・クロー内務担当官との打ち合わせの中で、

「M&M'Sは好物だ」

と言っているのです(笑)

M&M'Sといい、ドーナツといい、”エルヴィスはやはり甘党だった”というエピソードですが、私はタバコ吸ってたほうが太らなかったかも…などと、しょーもないことを考えたりしました。

 

このあと、ニクソンとの面談が始まりますが、エルヴィスはリサ・マリーとプリシラの写真をニクソンに見せた後、続けてメンフィスマフィアの集合写真を見せます。

「マスコミからメンフィスマフィアなどと呼ばれるが、そんなんじゃない。記者たちが広めたウワサです」

とエルヴィスが言うとニクソンは同意し、自分の経験を踏まえ、

「金を握らされば人は何でも話す。平気で他人の名声を汚すんだ」

と言いました。

このとき、ジェリーとソニーは大統領執務室の外で待機していましたが、これはのちに暴露本を出版するソニーに向けた皮肉です。

 

でも、お金だけではなかったような気がするんです。

それが知りたくて今『Elvis What Happened?』を読んでいます。

この映画が封切られて1年後に、ソニーは78年の生涯の幕を閉じました。

高齢だったので、この映画を鑑賞したかどうかはわかりませんが、”とりあえずイケメンだったし、まいっか”と思ってくれていたらいいのですが。

 

映画では他にもソニーの失言がありましたので、次回以降書きたいと思います。

またね。