こんにちは、ずず(zuzu)です。
時間ができたので映画を観ようと思い、消去法で選んだのが『ザリガニの鳴くところ』でした。
正直言うと、ミステリーは本も映画も好きではありません。
でも、たまに読みたくなったり、鑑賞したくなる作品はあります。
で、とてもよかった、良質な作品でした。
エンドロールの途中で席を立つ人がいなかったのは、それぞれの心に刺さったのだと信じたいです。
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オオカミ少女とでも言うのでしょうか、幼い少女がたったひとりで生計を立てながら生きるってあり得ない、と思いながら観ました。
そんな少女を心配する大人は近くにいました。
地元の食料品店の夫婦はいつも少女を気にかけ、うすうす親がいないことに気づいていましたが、他人の生活に口出ししないほうがいいと、積極的には関わりませんでした。
彼女に教育を受ける権利があると伝えた男性がいましたが(おそらく後に彼女の弁護を引き受けた男性だと思う)、小学校に行くとクラスメイトからバカにされ、クサイと言われ、その日のうちに逃げ出しました。
その後は福祉の手が差し伸べられていたようですが、グループホームを拒否します。
湿地で親の残した家に住むことは、家族とつながっていることになるからでしょう。
幼い彼女を置いて家を出たすぐ上の兄は、軍人になって帰省しますが、それは彼女の成功を知ったからでした。
とはいえ、心の奥底では愛情に飢えている少女は、近づいてくる青年たちに魅かれますが、ひとりは田舎で漁業をするのがイヤで地元を離れ進学して音信不通になってします。
もうひとりは(かつて自分を嘲笑った同級生のような)女性と婚約していることを秘密にしていました。
ふたりの思い出の貝殻のネックレスをいつも身につけていたのに。
結局、少女は誰も信じなかったのでしょう。
信じたのは、湿地の自然の営みと、いつか自分を迎えに来てくれるお母さんだけだったのだと思います。
またね。