ずずぶろぐ

ていねいでない暮らし

【本/推し】『ELVIS What Happened?』第10章の感想など<その6>

こんにちは、ずず(zuzu)です。

『Elvis:What Happened?』の第10章の感想、最終回となります。

 

マネージャーのボブ・ニールの地道な営業により、エルヴィスの歌手活動はそこそこ上手くいっており、南部の10代の若者はエルヴィスに熱狂していました。

ボブは大人のファンをもっと増やして稼ごうと、ブルー・ムーン・ボーイズからエルヴィスを引き抜き、ヒルビリー・キャット(田舎者の猫)と名付けます。

なぜエルヴィスが猫になったのかというと、当時ジャズの世界では'cat'がホットワードだったから。

エルヴィスには、大金を動かすニューヨークやロサンゼルスの男たちに、田舎者のヒルビリー歌手でないことを証明することが重要でした。

それには、全国的なマスメディアへの露出が必要で、全国放送のテレビが理想だとボブは考えました。

そこでボブはエルヴィスを、『アーサー・ゴッドフリー・ショー』というテレビ番組に出演させようと計画します。

そして、ヒルビリー・キャット・アンド・ブルー・ムーン・ボーイズは、楽観的な雰囲気の中、ワクワクしてニューヨークへと飛び立ちました。

 

ついにチャンス到来です。

もうこれで100マイル離れた体育館へ車で行くことはありません。

待っていれば大きな仕事が転がり込んでくるし、仕事の選り好みもできるようになります。

 

ここで、ニューヨークの男たちは大きなミスを犯してしまいました。

ヒルビリー・キャット・アンド・ブルー・ムーン・ボーイズは彼らに玉砕され、故郷に戻ります。

大きな、本当に大きなチャンスは、まだエルヴィスのためのものではありませんでした。

 

ちょうどその頃、オスカー・デイヴィスという人物がメンフィスにやって来ました。

デイヴィスは南部では華やかな著名人でした。

彼は、当時南部で旋風を巻き起こしていたエディ・アーノルドというカントリー歌手の営業をする上司の手伝いをしていました。

上司は彼よりもっと華やかな人物でした。

その上司の名は、トーマス・アンドリュー・パーカー。

大佐かそのような称号ですが、あくまでも<南部の>大佐で、1953年にテネシー州知事から地位を与えられたとあります。

また、1968年には雑誌で、’現代のバーナム’と記事にされましたが、そのとき大佐は、"名前が正しく書かれていれば、それ以上は気にするな"と言ったそうです。

 

運命とか宿命を信じるレッド・ウェストは、エルヴィスと大佐は出会うべくして生まれてきたようだったと言います。

大佐には昔も今も驚かされていた。

ふたりはジョイントとソケットのように、お互いを探していた。

そして、何かが始まろうとしていたそうです。

ーーーーーーー

ニューヨークへ売り込みに行った費用は、例のプールしておいたギャラの10%を使ったのでしょう(笑)

ボブ・ニールは営業を頑張っていましたが、南部が限界だったようです。

ニューヨークから帰ってすぐに、大佐と出会うことができました。

エルヴィスを全国区にするには、大佐の力が必要だったことは間違いありません。

 

映画『エルヴィス』では、大佐がサーカスの興行師だったことが描かれていますが、'バーナム'といってサーカスを連想できるのは、映画『グレイテスト・ショーマン』のおかげです。

あまり好みの映画ではないんですけどね。

またね。