こんにちは、ずず(zuzu)です。
映画『イニシェリン島の精霊』を観てきましたので、感想を書いていきます。
ある日突然、親友だと思っていた人物から絶交を言い渡されるという、誰しも身につまされるようなことが主人公に起こります。
時は1923年、アイルランド西海岸のアラン諸島の、のどかというより、孤島、寒村、辺境といえる島での物語です。
島に自然以外に存在するものとして映し出されるのは、動物と音楽、そして交流の場としてのパブです。
そんな何もない村で親友から絶交される主人公は、絶交の理由を知りたがり、関係を修復しようと試みます。
しかし、親友の狂気から偶然起こった出来事をきっかけに、主人公は態度を豹変します。
魔女の、"島に精霊がやって来る日は、人が2人死ぬ"と言う言葉どおり、その日に事を起こそうとするのですが…
この映画を観ての教訓として、身内であっても他人であっても、絶交を宣言されたり、距離を置こうとされたら、悲しいですがそっと身を引こうと思いました(笑)
絶縁しても疎遠になっても、面倒なことに巻き込まれるよりマシですから…
親友は絶交の理由を、"お前が退屈だから"と言いました。
主人公は2時間も家畜のフンの話をし続けたと。
しかし、実のところは、温厚で人当たりのいい主人公は、わざと当たり障りのない話をしていたのではないかと思うのです。
親友はバイオリン弾きで、地元の音楽を愛していました。
感性豊かな親友は、何もない退屈な島だからこそ、主人公とはもっと深く、琴線に触れる話をしたかったのに、主人公がそれに応えようとしなかったことに苛立ちを感じていたように思うのです。
映画には猟奇的な場面があり、私は苦手でした。
しかし、静かな島の気配との対比としては効果的で、映像は明暗のコントラストや諸々を含めて素晴らしかったです。
人間と動物との距離が近いことや、島と本土との物理的距離は近いのに、心理的距離は遠いことなど、映像から直に感じ取れました。
結局、主人公は無視されるより、逃げずに対決することを選びました。
狭いコミュニティで暮らすとは、そういうことなんだと思います。
警官はいても、'私刑'が残る島で。
またね。