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【本/推し】『ELVIS What Happened?』第10章の感想など<その4>

こんにちは、ずず(zuzu)です。

『Elvis:What Happened?』の感想、先日の記事の続きを書きますね。

zuzuzblog.hatenablog.com

1955年、エルヴィス・プレスリーは南部の人気者となり、巡業先はメンフィスから遠く離れたルイジアナ、フロリダ、アーカンソー、テキサスの各州まで広がりました。

レッド・ウェストは長距離ドライバーとしてノーギャラで貢献しましたが、貴重な経験ができたためお金は問題ではなかったと言っています。

皮肉なことに、レッドはエルヴィスより音楽の仕組みを知っていて、楽譜を読むことができ、曲作りにおいてはベストセラーになった曲もありました。

ところがエルヴィスは、楽譜を少しも読まないし、不思議なことに、四方八方を飛び回るのにダンスも特別上手ではないと、レッドは言います。

 

しかし、エルヴィスは歌うときのタイミングの感覚が生まれもって抜群で、広い声域を持っていますが、それだけでなく、

And he would surprise the hell out of me whenever he got on a piano.

Dunleavy, Steve . Elvis: What Happened? (p.129). Ballantine Books. Kindle 版. より引用

とレッドは続けています。

"he played the piano."

ではなく、

"he got on a piano."

とレッドが語る意味の違いが私にはわかりませんが、

"エルヴィスはピアノを上手に弾いては、レッドをびっくりさせていた"

"エルヴィスのピアノが上達するたびに、レッドはひどく驚かされた"

といった感じなのでしょうか。

楽譜を読まないのに器用にピアノを奏でるエルヴィスには、シナトラのように天賦の才が備わっている、とレッドは評しています。

それにエルヴィスは、音が正確かどうかを聞き分けることについて、指揮者なんかよりよほどいい耳を持っていたと言っています。

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エルヴィスの黎明期に運転手をしていたレッドは、無給でしたがそれに満足していました。

ですが、エルヴィスは楽譜も読めないし、ダンスも上手くないなど、思うところはあったのでしょう。

しかし、そんな思いをどこかへ追いやってしまうほど、レッドはエルヴィスの音楽の才能を日々目の当たりにして、時に驚愕していたのだと思います。

 

歌が上手な人と、容姿、特に顔のいい人は、ポピュラー音楽の世界では明らかに優位です。

この後に少し出てきますが、楽器演奏は、長期にわたる地道な努力が必要なのに、代えはいくらでもいるというのが一般的な考え方なんですよね。

 

昔、地元でフラメンコの一座の公演を鑑賞して、踊りとギターに感動したことがありました。

特にフラメンコギターを生で聴いたのは初めてだったので、感激しました。

ところが、テレビか何かで、フラメンコで重要なのは歌だと知りました。

スペイン語の訳のわからない民謡のような歌がメイン?

美しく情熱的な舞や、哀愁漂うギターの音色より、あのオッサンの変な歌が上?

私のフラメンコの価値観に混乱を来しました(笑)

 

これも昔の地元での話ですが、小さなフィリピンパブや韓国パブでは、たいてい1人の女性歌手と5人前後の女性ダンサーが一緒に働いていました。

女性歌手は店の中心的存在で、ダンサーたちとは一線を画していると感じました。

ダンサーたちのほうが若くて綺麗でも、歌手にはとても気を使っているようでした。

どの歌手も自信満々でプライドが高そうに見えましたが、さすがに歌は上手かったです。

 

歌手になるには天賦の才が必要で、努力ではどうにもなりません。

それだけ歌が上手く、加えて容姿がいいというのは、売れても売れなくてもすごいことで、それに運とか、時代の波にピタッとハマった人だけが、スターになれるんですよね…

と毎度同じことを考えてしまうので、ここまでにします。

またね。