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【本/推し】『ELVIS What Happened?』第9章の感想など<その3>

こんにちは、ずず(zuzu)です。

今年も『Elvis:What Happened?』の感想などを書いていきますよー。

第9章は、レッド・ウェストが語るエルヴィスの黎明期の話です。

 

レッド曰く、エルヴィスは感謝を直接言葉で伝えることをしませんでした。

ですが、受けた恩を忘れることはなかったと言います。

高校で、長髪を理由にいじめを受けていたエルヴィスを救ったのがレッドでした。

エルヴィスは当時、あいさつ程度に軽くお礼を言っただけで、そのことを二度と口にすることはありませんでした。

高校を卒業してサン・レコードで録音した『ザッツ・オール・ライト・ママ』がスマッシュヒットしたエルヴィスから、レッドのフットボールの試合の後、"一緒にドライブしないか?"と誘われたのが、全ての始まりだったとレッドは回想しています。

そのときは、エルヴィスには同級生に信頼できる友人がいないのかと思ったのは、レッドとエルヴィスはそれほど親しい関係ではなかったから。

けれど、エルヴィスにとっては自分が一番親しい友人なのだろうと思ったし、それがエルヴィス流の感謝の伝え方だったとしています。

 

エルヴィスは感謝を言葉で伝えず、突然何かを高価なものをプレゼントすることでお礼をしていました。

空手の模擬試合でエルヴィスを勝利に導いたデイヴ・ヘブラーに、突然ベンツを贈ったように。

エルヴィスは贈り物を受け取ったときの相手の反応を見るのは好きだったけど、以降そのことを話題にすることはありませんでした。

その代わりに、自分への完全な献身と忠誠を相手に期待していました。

もしかして、母グラディスがそうしたように???

エルヴィスのご機嫌によっては、それを実行することは難しかったと言いますが…

 

感謝を表すときだけでなく、激しい癇癪を起こした後も、エルヴィスは"悪かった、ごめん"と謝ることは決してせず、車のショールームで”あの車すごくいいな、どう?”と言って、その場で書類を作成してプレゼントする調子だったそうです…

エルヴィスが"thank you"や"sorry"を決して口にせず、感謝や謝罪の気持ちを高価な物を贈ることなどに代えていたことについて、レッドはそれをエルヴィスのやり方だったとしています。

それが家訓だったのか、グラディスからの教えだったのかはわかりません。

しかし、ソニー・ウェストも、エルヴィスがやらかしたときに、決して相手(例えばジュディやジェーン(いずれも仮名))に対し、直接謝罪しなかったことを非難しています。

謝ったら負けという考えの持ち主だったのか、プライドが高かったのか、いい加減だったのか、照れ臭かったのか、サイコパスだったのか(←違う)…

とはいえ、レッド/ソニーが南部の男として、お礼はともかく、決して謝罪しないエルヴィスの不誠実な態度には、違和感ありありだったのは間違いないでしょう。

またね。