こんにちは、ずず(zuzu)です。
『Elvis:What Happened?』第6章を読み終えました。
昨日は、第6章の前半でレッド・ウェストが、自分をクビにしたエルヴィスの父ヴァーノンの歌唱力とルックスをほめている話を書きました。
第6章はエルヴィスの生い立ちが語られていて、長い章になっています。
今日は中盤のエルヴィスの高校時代のエピソードに焦点を当て、感想を書きたいと思います。
エルヴィスが通っていた白人だけの高校では、大きなイベントの一つ、バラエティ・コンサートが盛大に行われたそうです。
裏の目的はチャリティーで、コンサートの収益は学校の基金となり、貧しい家庭の生徒の援助に使われました。
コンサートには30組くらいが出場したそうですが、その中にはなんとレッドも。
レッドはギターとベースと一緒に出場して、トランペットを吹いたそうです。
コンサートのルールは単純で、聴衆から一番大きな拍手をもらえた出場者がアンコールの権利を得ることができ、勝者となります。
そこでレッドが驚いたのは、エルヴィスがギターを担いでステージに上がり、片足を椅子に乗せ、ギターを鳴らして歌い始めたことでした。
レッドは、エルヴィスにそんな勇気があっただけでも驚きましたが、エルヴィスは初めにゆったりとしたテンポの『オールド・シェップ』を歌い、次はアップテンポの曲に切り替え、最後にバラードを歌い、生徒たちから拍手喝采を浴びたそうです。
コンサートを運営していた女性の先生は、礼儀正しいエルヴィスのことがお気に入りで、ラブソングを聴きながら泣いていたそうで、他の先生も涙ぐんでいたとレッドは語っています。
バラエティ・コンサートで最初に歌った曲『オールド・シェップ』は、エルヴィスが小学5年生くらいのときに、学校の先生に勧められて参加した、地域ののど自慢大会で歌った曲です。
歌を聴くと、間の抜けた古い感じの曲なのですが、曲名を直訳すると'年老いたシェパード'、お涙頂戴の曲なんだそう。
エルヴィスが小学生のときに人前で歌った『オールド・シェップ』を、高校のコンサートでも歌ったということは、この曲によほど思い入れがあると考えていいですよね。
歌手として売れる前も売れた後も、子どものころからずっと口ずさんでいた歌なのではないかと想像します。
エルヴィスが人前で歌うことの楽しさを最初に知ったのは、小5ののど自慢だったのではないかと私は考えています。
人生の早いうちにいい先生に出会えたエルヴィスは、幸せでしたね。
で、ちょっと妄想してしまいました。
メンフィスのジューク・ジョイントで、レッドのトランペットに合わせて、ヴァーノンとグラディスが楽しそうに踊り、エルヴィスがギターを鳴らして『オールド・シェップ』を歌おうとすると、お酒を呑んで騒いでいるソニーが、”またその曲かよ〜”と文句を言う…
みんな天国で仲良く暮らしていますように。
このトピック、続きます。
またね。