こんにちは、ずず(zuzu)です。
昨日のブログでは、エルヴィス・プレスリーとニクソン大統領の会見について言及しました。
ブログを書くにあたり、あれって何年の出来事だっけ?とググる過程で、このことを題材とした映画がアマプラで観られると知り、全く期待せずに観ました。
それがいい意味で期待を裏切って、オサレ映画でまさしくツボだったので、レポートしたいと思います。
アメリカの国立古文書館で、画像ではナンバーワンの閲覧数を誇る1枚の写真から連想したフィクションで、コメディです。
日本人の私にはピンと来ませんが、大統領とキングの会見は、アメリカンドリームの象徴なのでしょうか。
作品ですが、まず音楽がいい。
エルヴィスの曲は排除され、代わりにファンキーなソウルミュージックが挿入されており、実に効果的に作品を盛り上げています。
オープニングにサム&デイヴがかかった時点で、ワクワクしてしまいました。
エルヴィスの映画でエルヴィスの曲を使わないのは、すごい決断だと思います。
映画『エルヴィス』(2022年)では、音楽が斬新で泥臭すぎて引いてしまった私ですが、この作品の音楽はカッコいいとしか言いようがありません。
最初のグレイスランドでのシーンでは、タバコを吸わないはずのエルヴィスが喫煙しているて???でしたが、ここは突っ込んでおいていいのかな(笑)
メンフィス・マフィアの一員だったジェリー・シリング役の俳優がイケメン過ぎて、この作品の影の主役になっています。
エルヴィスがジェリーのことを航空会社の若い女性たちに
「ハンサムだろ?」
と紹介するシーンではうっとりしてしまいました。
とにかくイケメンで、これだけでアマプラの視聴料の元がとれました(笑)
ソニー・ウェストについては、昨日のブログでイケメン認定したところですが(笑)、本物そっくりと思われるイケメンだったので、こちらも大満足です。
ジェリーは常に冷静で温和、友だちとしてエルヴィスに尽くす役柄でしたが、ソニー・ウェストは仕事でありながら、いい加減なところがあるヤツという設定でした。
これは、暴露本を出版してエルヴィスを傷つけ、荒稼ぎしたソニーに対して、世間の目が厳しいことを物語っているように感じました。
エルヴィス役の俳優は痩せすぎでエルヴィスに似ていないし、身長が高すぎて、ジェリーが小柄に見えてしまっていたのでイラッとしましたが、セリフや仕草が抜群に上手くて惹きつけられました。
調べてみると、近年のラブストーリーで一番感動した『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017年)で、気の毒になるほどいいとこナシの悪役を演じたマイケル・シャノンでした。
アクションのシーンで、もう少し脚が真っ直ぐに、もっと高く上がっていたら文句なしでしたね(笑)
エルヴィスがニクソンと会見する目的は、無任所連邦捜査官に任命してもらい、連邦麻薬局のバッジを手に入れること。
エルヴィスの申し出を、相手方もイメージアップに利用しようとしました。
双方の側近たちは慌てて下準備を進め、面会の時を迎える間に、互いの苦労が似ていることを感じ取り、心を通い合わせます。
立場が下の者は、コンプライアンス遵守で任務を全うしようとするも、トップの気分次第で正義がひっくり返って、一瞬で治外法権となってしまう不条理。
組織にいれば誰もが経験しているであろうことが、ホワイトハウスでも頻繁に起こります。
こうした男性たちの気苦労とは反対に、女性たちは目の前に現れたエルヴィスに浮き足立ってばかりした。
ジェリーは”娘や子どもはいるか?”と聞いてばかりでしたし(笑)
でも、私は女性をバカにしてるとは感じませんでした。
エルヴィスにはそれだけのオーラがあったのだし、女性もエルヴィスなら鷹揚に受け止めてくれるという確信があったからこそ、好意を示せたのだと思います。
トップとなる人はそれなりの努力をしているというエピソードがありました。
ニクソンは冒頭、”オレは外国に行くときは、その国の言葉を勉強してから行く”と豪語しますが、エルヴィスはそれと同様のことをきっちり実行していました。
お互い相手のことを下調べをして、共通点や相手の落としどころを把握していたのです。
エルヴィスは自分の要求もはっきり伝える代わりに、相手を喜ばせることを忘れない。
大統領執務室であってもエルヴィスが仲間を大切に扱う姿に、ニクソンは頑なだった心がほぐれ、自分に足りない部分に気づいたのか、自分の部下に心づかいを見せるようになります。
この作品、ただのエルヴィスの記録映画ではありません。
社会で生きていくための叡智が詰め込まれている、そんなフィクションです。
ですが、ストーリーは、プリシラ・プレスリー著『Elvis and Me』(1985年)に書かれていた内容とは、かなり異なっていて、混乱してしまいました。
その辺のことについては、続きを書けたらと思います。
この作品は、日本未公開でした。
超有名監督や俳優の作品でなければ、このようなコメディ映画は日本では公開されなくなっています。
超大作のほかは、アクション、アドヴェンチャー、ホラー、アニメばかりで、映画館で観たい映画が年々少なくなっています。
そのうえ、地元の数少ない映画館が同じような(日本)映画を上映している問題もあります(笑)
また、映画館より飛行機の映画のラインナップの方が早くてセンスがよかったりする現象も謎です。
なので、アマゾンプライムを始めとした配信サービスには感謝しかありません。
またね。