こんにちは、ずず(zuzu)です。
『Elvis:What happened?』の第2章の後半は、主にソニー・ウェストがエルヴィスとの出会いについて語っています。
ネット上では、ソニーはパーティーでエルヴィスと出会ったとされているようですが、本書では違いました。
エルヴィスの屋外でのショーを観て衝撃を受けたソニーが、エルヴィスと親しかったいとこのレッドに頼んで引き合わせてもらったのです。
待ち合わせ場所は、メンフィスのローラースケート場でした。
当時、メンフィスではローラースケートが流行していて、エルヴィスは夜間そこを借り切って、仲間やファンだけで遊んでいました。
プリシラ・プレスリー著『Elvis and Me』には、評判のよくないローラースケート場として書かれていますが、それは通常のローラースケート場では禁止されているような危険な遊びが行われていたからではないかと思います。
プリシラは、"Whip"と呼ばれていた、25人くらいが横並びに手をつないで旋回する遊びについて説明しています。
両端の人はものすごく加速して宙に浮いてしまいそうですし、手を離したら飛ばされてしまいますよね。
『Elvis:What happened?』では、”war”という、2つのチームに分かれて行う、ローラースケートを履いた格闘技のような単純なゲームの様子が書かれていました。
こちらも危険な遊びで、訳がわからないまま”war”に参加することになったソニーはひどい目に合いますが(笑)、それでも楽しかった、エルヴィスと一緒に楽しんだと、引き続きローラースケート場に通います。
また、プリシラも同様のことを書いていますが、ローラースケートをしていて怪我人が出ると、エルヴィスは真っ先に駆けつけて声をかけ、遊びを続行するか判断をしていました。
ソニーがエルヴィスとローラースケート場で初めて会ったのが1958年の春で、その後エルヴィスは兵役に就きます。
プリシラがメンフィスにやってきたのは、エルヴィスが除隊してしばらくしてからなので、エルヴィスは数年間、ローラースケートに没頭したようです。
ローラースケートと並行して、エルヴィスはメンフィスの土地を借りて、地元の友人とカート(ミニカー)のような乗り物で遊んだりもしました。
プリシラによると、他にもグレイスランドでゴーカートやゴルフカートで競争したり、独立記念日に花火を打ち上げ、火を投げ合ったりと、エルヴィスはワイルドでにぎやかで子どもじみた遊びを好んだようですが、みんなは気づいていました。
エルヴィスは少年時代に体験できなかったことを、いじめっ子がいない守られた環境の中で取り戻していることを。
母グラディスが厳しく、危険だと子ども時代にスポーツをさせてもらえず、学校から帰ったら家の手伝いをさせられていたことを、プリシラはエルヴィスの父方の祖母ドジャー(愛称)から伝え聴いています。
しかし、そのことを含め、最初はお付き合いであったとしても、エルヴィスが少年のような笑顔で遊びを堪能する姿を見て、周囲も遊びを楽しんでいったのではないかと思います。
ソニーはその時代を振り返って、平凡で子どもっぽい楽しみではあったが、レッドにとっても、自分にとっても、きっとエルヴィスにとっても、人生で最高の日々だったと言っています。
プリシラも、ふざけた遊びを楽しんだ日々がなつかしいと回想していました。
これらの言葉が天国のエルヴィスに届きますように。
またね。