ずずぶろぐ

ていねいでない暮らし

エッセイ『フジコ・ヘミング 永遠の今』(2022年)を読んで

こんにちは、ずず(zuzu)です。

書店で見かけた『フジコ・ヘミング 永遠の今』、Kindle本が出ていなかったので単行本を購入しました。

刺さる言葉が多く、写真もキレイだったので、高価な部類に入る本ですが、ウチに連れて帰りました。

フジコさん独特の、飾らないマイペースな独り語りがそのまま文章化されており、プライベートのフジコさんの息づかいが聴こえてきそうでした。

 

内容は、ピアノのことだけでなく、幼少期からの回想、両親のこと、留学、海外生活、恋愛、動物、宗教、倫理観など盛りだくさんです。

ヨーロッパで生まれ、5歳で日本に渡り、第二次世界大戦中は東京から岡山県疎開も経験、終戦後は東京に戻り大学卒業後は渡欧という、世界規模で移動されているのがまず驚きです。

昨日のブログで取り上げた、女優オードリー・ヘプバーンもそうでしたので、その時々で国を移動することをいとわない行動力に驚きを隠し得ません。

 

フジコさんを追ったドキュメンタリー映画フジコ・ヘミングの時間』(2018年)では、ピアノの音色とともに、フジコさんが世界中に所有する自宅の様子が、魅力的に映されていました。

 

フジコさんは歴史ある建物がお好みで、保存の目的もあって購入されているようです。

東京・下北沢(NHKのドキュメンタリーで有名ですね)、京都、パリ、ベルリン、サンタモニカに自宅があり、本書では母の死後、下北沢の自宅を売却するという弟の大月ウルフ氏(故人)と対立して、家庭裁判所で争ったとありました。

フジコさんは、インテリアはアンティークがお好きで、新しいものには興味がないそう。

インテリアは10年かけて完成させていくそうで、世界中を転々と移動しているにもかかわらず、古い家具や思い出の品を残しているのには驚きしかありません。

長らく断捨離ブームで、必要のないものは処分が原則ですが、フジコさんはお気に入りのものは取っておくのですね。

 

また、健康ブームで禁煙が浸透していますが、フジコさんは18歳から喫煙しており、禁煙する気は毛頭ないようです。

そんなスモーカーのフジコさんですが、食生活は長年ベジタリアンで、健康そのものだそうです。

周囲に惑わされることなく自分を貫くフジコさん、生きづらさもあったでしょうが、カッコイイです。

 

フジコさんといえば猫好きとしても有名ですが、障害があったり、捨てられた猫ちゃんばかりを迎えているようです。

そのため、人間慣れできない子が多く、基本は眺めるだけで触ったりはしないとのこと。

猫の餌代を稼ぐためにピアノを弾いているともおっしゃっています。

カッコいいです。

 

ピアノとともにフジコさんが歩んだ、恵まれつつも苦難の人生と、輝かしい成功。

長く演奏活動を続けていただきたいですね。

まだまだ書き足りないのですが、うまくまとまらないので、このへんで終わります。

またね。